不良債権とは

不良債権とは

不良債権って何?

■概要

不良債権は回収が非常に困難、あるいは回収不能になった債権のことです。
通常は銀行などの金融機関の貸付金が融資先の経営悪化や倒産によって回収困難になったもののことで、バブル崩壊以降大量の不良債権が生まれたため銀行経営を圧迫しました。

■不良債権の種類

金融機関の債権は金融再生法に則りその回収見込みのレベルによっていくつかの種類に分類されます。
ここではそれぞれの分類について解説していきます。
一般的には2の要管理債権から4の破産更正債権及びこれらに準ずる債権が不良債権と分類されます。

1.正常債権

不良債権の基準に該当しない通常の債権のことで、回収見込みが高い債権といえます。

2. 要管理債権

元本や利息の支払いが3ヶ月以上延滞していたり、金利や返済期限などを見直して当初の貸し出し条件を緩和(リスケ)した債権のことです。
返済が遅れており、かつ当初の貸し出し条件での返済が困難であるということから貸し倒れになる可能性が正常債権よりも高い債権といえます。

3.危険債権

経営破綻にはなっていませんが、経営が非常に悪化している債務者に対する債権のことです。
経営改善もなかなか進まず、このままでは経営破綻となり回収が不可能になる可能性が高い債権となっています。

4.破産更正債権及びこれらに準ずる債権

破産や民事再生法など法的に経営破綻した債務者又は実質的に経営破綻した状態である債務者に対する債権のことで、回収が非常に困難な債権となっています。

■不良債権と貸倒引当金

通常、銀行は融資先の企業が破綻して債権が回収不能になる場合の費用をある程度見積もり、事前に貸倒引当金として損失に備えています。
貸倒引当金は債権の区分ごと(正常債権や危険債権など)に異なっています。
正常債権と要管理債権は区分ごとにまとめて貸倒引当金を計上するため一般貸倒引当金と呼ばれます。
一方、正常債権と要管理債権以外の債権(危険債権など)は融資先ごとに個別に貸倒引当金を計上するため個別貸倒引当金と呼ばれています。

■バブル崩壊と不良債権

バブルの頃に銀行は非常に甘い審査で多くの融資を行なったため、バブル崩壊と同時に大量の不良債権が生まれました。
不良債権によって経営が圧迫され、銀行が破綻するというケースも相次ぎ日本経済に大きな影響を与えました。
一刻も早い不良債権処理のために政府が不良債権問題に介入する事態にもなり、官民一体となって不良債権問題に取り組んだということもあって、現在はバブル崩壊によって発生した不良債権の処理は山場を超えたと言われています。

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