金融工学とは

金融工学とは

金融工学って何?

■概要

金融工学とは金融市場でのリスクを工学的手法で分析し、効率的に利益をあげたり新しい金融商品を開発する技術または学問のことです。
数学や統計学など数理的学問を駆使し、現在では金融リスクの査定や複雑な金融商品の値付けなど様々な場面で利用されています。
サブプライムローン問題に端を発した金融危機では、この金融工学によって生まれた証券化商品が大きな原因となったため、金融工学のあり方が問われています。

■金融工学の功罪

金融工学は元々金融機関が取り扱う様々なリスクを計量・管理するために発展しました。
金融工学の発展により複雑な金融商品を開発することができるようになり、様々なリスクも計量することができるようになりました。
その結果、低コストで資金調達が可能になるなど社会的なメリットもありました。
しかし、金融工学が大きく発展した結果、あまりに複雑な金融商品が開発され、結果としてリーマンショックにつながるサブプライムローン問題が発生しました。
また、金融工学に基づく投資で大きな損失を抱え、多額の債務を抱えて経営破綻するヘッジファンドなども後を絶ちません。
金融工学は決して万能ではなく、時には経済や金融市場に大きな損害を与えることもあるのです。

■LTCMの破綻

金融工学がもたらした悲劇として有名な事件がLTCM(ロングタームキャピタルマネジメント)の破綻です。
合計損失46億ドルという当時最大規模の損失を出して破綻し、金融市場に大きな影響を与えました。
LTCMは金融工学を駆使した運用を行い、設立後4年間は莫大な利益をあげてしました。
主に債券に投資し、理論価格と実勢価格が乖離している債券を対象に投資を行っており、当時は高い人気を誇って投資家からの資金が集中しました。
LTCMは投資家からの資金に大きなレバレッジをかけることで実際に手元にある資金の数十倍以上の金額を運用していましたが、ロシア財政危機により莫大な損失と負債を抱えて破綻しました。
当初は万能であると見られた金融工学による投資も、ロシア財政危機という予想外のイベントが発生することであっけなく崩壊してしまいました。
このように、金融工学は有用である反面、過去に例のないイベントなどが発生するとあっけなく崩壊してしまう可能性を秘めているのです。
サブプライムローンを含んだ証券化商品とそれが原因となった一連の金融危機もその例であり、行き過ぎた金融工学は時に大きな悲劇を生んでしまう可能性もあります。

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