ソブリンウェルスファンドとは

ソブリンウェルスファンドとは

ソブリンウェルスファンドって何?

■概要

ソブリンウェルスファンドとは、石油などの資源による収入や外貨準備高を原資として政府が運用するファンドのことです。
政府系ファンドとも呼ばれます。
近年は資源高を背景として資源国のソブリンウェルスファンドが台頭してきており、金融市場に対して大きな影響力を持っています。
その規模は2007年時点で2.5兆ドルを超えると言われており、ヘッジファンドの規模をも凌ぎます。
また、政府が運営するファンドであるため政治的思惑が優先された投資が行われるのではないかという懸念も出ています。

■ソブリンウェルスファンドの原資

ソブリンウェルスファンドの原資には為替介入などによって積み上がった外貨準備高と国営企業の利益や資源の輸出によって得た収入の2つがあります。
中国やシンガポールなどが運営するソブリンウェルスファンドは前者の外貨準備高を原資としており、サウジアラビアやロシアなどの資源国は後者の資源収入を原資としています。
日本がソブリンウェルスファンドを運営する場合は世界有数の規模を誇る前者の外貨準備高を利用することになります。

■アブダビ投資庁について

ソブリンウェルスファンドとして特に有名なのがアラブ首長国連邦のアブダビ投資庁や中国の中国投資有限責任公司です。
中でもアブダビ投資庁は世界最大のソブリンウェルスファンドであり、その運用額は1兆ドルを超える規模となっていて、原資は石油の輸出によって得られる収入(オイルマネー)であり、アブダビ政府の資産を運用することを目的としています。
このアブダビ投資庁は金融危機の際に経営危機に陥っていたシティグループに対して75億ドルの出資を行い、オイルマネーで潤う資源国が運営するソブリンウェルスファンドの台頭を世界に見せつけました。

■日本のソブリンウェルスファンド

現在、資源国を中心としたソブリンウェルスファンドの成功を受けて日本でもソブリンウェルスファンドを設立・運営しようという動きがあり、日本の莫大な外貨準備はほとんどが米国国債で運用されており、これをソブリンウェルスファンドに切り替えると債券市場に大きな影響が出ると考えられています。
また、150兆円にのぼる年金積立金の一部をソブリンウェルスファンドで運用しようという動きもありますが、日本では資金を運用するファンドマネージャーの人材も不足しているため実現はまだまだ難しいのが現状となっています。

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